小さな攻防戦
「ルルーシュって、年寄りみたい」
大きな瞳でルルーシュを見つめながらそう言い放った少女の横で、C.Cは小さく噴出した
「…お前、何が言いたいんだ」
「だってさ、スザクのこと体力馬鹿ってゆったり、あと最近腰抑えてたりさ」
態々手を使ったり、身体で表現する忙しいは、ね?と首を傾げた
「体力馬鹿って言うのは自分が体力ないからなのかなって、思って」
「俺は普通だ!あいつが体力ありずぎるだけだろう!」
「まぁ、それはそうだけどね」
それに、と付け足すルルーシュに、は再び視線を彼に戻した
「どっかのアホが俺のベッド使ってるからな、ソファーとかで寝ると腰が痛くなるんだよ」
じろりとC.Cに睨みをきかせたルルーシュだが、彼女はそんな視線を物ともせず、ふんと鼻を鳴らす
こめかみをぴくりと引きつらせ、しかしルルーシュは目の前の少女の言葉に耳を傾けた
「そっかー、ルルーシュベッド使ってないんだもんね」
それは自分の身体を心配してくれているのだろうか
内心、へらりと笑みを浮かべたルルーシュは、にそのままC.Cに何か一言言ってやれ、と思ったがあっさりそんな願望は崩れ去った
「でも女の子が床に寝るなんて、ありえないけどね」
横にいるC.Cが笑みを深くしたのが見えた
にとっては、単なる意見にすぎなかったが、しかしルルーシュへのダメージは大きかった
「でもやっぱり、毎日ソファーは辛いよねえ?」
どっちの見方なんだ、と突っ込みたくなるのを押さえ、ルルーシュはうーん、と唸る少女を見つめる
そしてぽん、とひらめいたように手を叩くと、は満面の笑みを見せた
「じゃさ、ルルーシュあたしのベッド使いなよ?」
「え?」
思わず間抜けな声が漏れる
しかしは笑みを崩さないままで、たまにはちゃんと寝ないと、と呟いた
C.Cは少しだけつまらなそうな顔をするが、ルルーシュは内心ガッツポーズをした
「あ、でもはどうするんだ?」
「あたし?あたしは別にいいよ」
先ほどの女の子が床で寝るなんてありえない発言を忘れているのか、はへらりと笑みを見せる
に悪い気がするが、だが彼女のベッドを使えるとあって、ルルーシュの機嫌は上々だ
しかし次のC.Cの発言で、ルルーシュはぴしりと固まる
「ならは私と寝ればいい」
ばっ、とルルーシュはC.Cを見る
これまでにないくらい、勝ち誇った笑みを浮かべているC.Cはふふん、と鼻を鳴らした
はというと、いいの?と小首をかしげている
「ああ、女は床で寝るもんじゃない、こいつのベッドも何気に広いからな」
微妙に嫌味を交え、C.Cはぽんぽん、とベッドを叩いた
「C.Cがいいなら…一緒に寝よっか」
眩しい笑みを零して、はC.Cの隣にごろんと寝転ぶ
「ルルーシュ、今日はゆっくり休んでね」
ぽむ、とルルーシュの肩を叩き、は毛布にくるまった
その所為で、ルルーシュとC.Cの間に火花が散っているのを、は知らない