ハロウィンの過ごし方

真っ黒なマント
真っ黒なブーツ
真っ黒な帽子ときたら、真っ黒なミニスカート

「……」

呆れきった表情を見せるルルーシュの前で、はにっこりと微笑んで一言

「トリックアトリート」

白い掌をばっと彼の目の前に差し出して、ほらほら、とは言葉を繋げる
一方ため息をつきかねないルルーシュは、は?と更に眉を顰めた
空気が死にそうなところで、やっとミレイが口を開いた

「ルルーシュ!そんな呆れた顔しない!」
「そうだよ、まったく!」
「…いきなりこんな格好で現れて他にどんな顔すればいいんですか」

やはりはあ、とため息をついたルルーシュは、差し出されたままのの手をどかす
むっと口角を引きつらせ、は後ろの椅子にどっかりと座って、彼をじっと見つめた

「いきなり、じゃないもん、今日は何の日か覚えてないの?」
「今日…?もしかして」

一瞬考えるように視線を泳がした後、手を叩くルルーシュ

「そう!ハロウィンだよ!」
「…まだ何も言ってない」

一足先に叫んだは、真っ黒なミニスカートをひらりと羽ばたかせて後ろに振り返る
その視線の先には懲りずにアーサーとじゃれるスザクの姿
スザクの腕の中のアーサーもまた、南瓜の被り物を被らされていた

「ルルーシュはノリが悪すぎる!スザク、トリックアトリート!」
「へ?」

急に声を掛けられ、間抜けな声をあげたスザクは、の格好に驚きを露にする
ちなみに短い短い、と何処かで批判を受け続ける制服よりもより一層白い太ももが剥き出しになったの足
黒のタンクトップに、同じく黒のアームウォーマーのようなものを身につけた上に、真っ黒なマント
顔の二倍は大きいであろう帽子を軽く被ったの姿は、魔女、というよりただのコスプレのようで

「どしたの
「スーザークー、話聞いてなかったの?」

言うと同時に、更衣室と化した資料倉庫からカレンとシャーリーが出てくる
二人も同じようにいつもとは違う格好で、しかしとも違う服装だった

「会長、私これじゃあ猫祭りのときとあんまり変わらないんですけど」
「…なんで私悪魔?」

頬を膨らませるシャーリーは、いつかの猫祭り、よりも露出が激しくなった桃色の猫の服
眉を顰めるカレンは、胸元が大きく開かれ、ぴったりと肌に密着したショートパンツを身につけ、頭にはカチューシャを付けられていた

「シャーリーはそれが似合うからいいじゃない、それとももっと露出激しい方がよかった?」
「なっ、そういうわけじゃありませんっ!これでも十分スースーするんですからね」
「カレンの方もぴったりねえ、いい眺めだわ」
「よくありませんよ、こんなの水着みたいなもんじゃないですか」

文句をぶちぶちと言いながらも、それを見事に着こなす二人には感嘆の声を漏らす

「すっごーい、二人ともすっごい似合ってる!!」

その言葉をそのまま返したいカレンとシャーリーだった

「て、いうか会長とそこの三人は着替えないんですか?」

そういえば、とが口にしたのは悶々と浮かぶ疑問
にんまり笑みを浮かべるミレイと裏腹に、あからさまに嫌そうな顔をするルルーシュが視線を逸らす

「私はいいのよ、観察する方だからね、あとね男子の方も欲しかったんだけど、予算がさ」
「また使いまくったんですか?」
「この服とか高かったんだから!」

カレンの鋭い指摘に、半ば叫ぶようにごまかすミレイに、思わず苦笑いが零れる
トリックアトリートー、と今だ項垂れるようにルルーシュに呟くは、持っていた棒を振り回し始めた
ルルーシュにもたれかかるように座るは、後ろのスザクから見れば危ない格好をしている
思わずアーサーをじっと見つめ始めるのだから、ルルーシュは小さくため息をついた

「と、いうことでハロウィン祭りをしましょう」
「は」
「へ?」
「え」
「ちょ」
「また…?」
「お祭りだ!」

上からミレイ、ルルーシュ、スザク、シャーリー、リヴァル、カレン、の順である
嫌そうに声を漏らしたルルーシュとカレンは、同じように固まった息を吐き出す
一方嬉しそうな声を漏らしたのは一人だけ
あとの三人は、ただその言葉に疑問符をつけただけである

「一番お菓子をもらえた人が優勝!一番もらえなかった人をこき使いまわせる権利を贈呈します!」
「ちょっと待ってください、俺も参加するんですか?」
「もっちろんよー!」

ルルーシュが例の台詞を言って、そしてお菓子を貰う姿を想像し、各々小さく噴出す
しかしやるといったら聞かないミレイは、皆を外に追い出した

「制限時間は、そうね、30分」
「30分?短くないですかー?」
「短い時間でこそ試されるものってあると思うのよねえ」

うんうん、と、一人頷くミレイを横に今にも走り出しそうなを必死で引き止めるリヴァル

「それじゃ、いってらっしゃい!貰う時は必ずトリックアトリート、って言うこと!」

一人生徒会室に残るであろうミレイは、笑顔で皆を送り出す
やれやれ、と散らばっていく生徒会メンバーを見つめながら、もよし、と意気込んだ


29分経つと、大量のお菓子の山を持ったルルーシュが少々やつれた顔で戻ってきた
部屋の中には既に他の者の姿が揃っている
しかし一人負のオーラを漂うわせる人物が、机に突っ伏していた

「おっかえりールルーシュ、やっぱりルルーシュが優勝かしら?」

何処から嗅ぎ付けたのか、生徒会室を出てから数分で女子の大群に囲まれたルルーシュは其処から一歩も
動かずして、優勝量のお菓子を持って帰ってきたのだった

「次はカレンかしら?シャーリーとスザク君は同じくらいね、リヴァルも多いじゃない」

相変わらずの人気を誇るカレンもルルーシュには負けるが、相当のお菓子の袋に囲まれている
隠れファンが多いというシャーリーとスザクも、同じようにお菓子を持って帰ってきた

「リヴァル、そんなに何処で貰ったの?」
「俺も必死でみんなからかっぱらってきたの!」

それでも一番少ないのはだった
一番それを不思議に思ったミレイは、迷わず顔をあげないに声を掛けた

、が一番少ないわねえ、意外だわ!絶対男子に囲まれるかと…」
「…貰いましたよ、一応…女の子からもいっぱいくれるから絶対優勝かと思ったのに…」
「まさか、…食べちゃったの?」

恐る恐る聞くシャーリーにはわー、と身体を丸める

「ぶっ!それでこの量なの?」
、それはないと思う」
「まじかよー、ていうかよく短時間で食べられたな」

何を言おうと、優勝はルルーシュのもの
悔しい気持ちでいっぱいのは、皆と同じように部屋を出て行こうとしたが

、お前俺の優勝の特権知らないのか?」
「…げ、」
「この書類手伝って貰おうかな?」

優勝したというのにルルーシュの手元には書類の束
お菓子の糖分があるのだから書類もやって、というミレイの頼みだったのだ
いつもより少なくとも、やはり特権を使うルルーシュに、ミレイはにやりと笑みを浮かべる
そしてそっとルルーシュに耳打ちすると、彼も同じように笑みを浮かべた

「日が暮れる前に返してあげなさいよ?」
「それはどうでしょう?」

スザクの視線を感じながらも、部屋は二人きりになる
今だ露出の多い服を身にまとうは、ため息をついて椅子に座った
しかしそれも敵わないことになる

「…、こっちへ来い」

言われた場所はルルーシュの膝の上
嫌だ、と首を振るが、優勝、という言葉を前にしては従うざるおえなかった

「ううー、これじゃなんにもできないでしょ」
「いいんだよ、書類なんてあとですぐできる」

後ろから包み込むように抱きしめるルルーシュに、は微かに顔を赤らめる
膝の上の方に感じる、の柔らかい太ももがルルーシュの熱を高めてしまった

「離してよう」
「だめだ」
「わがまま」
「何とでも言え」

その内まわされた腕が腰を妖しく動くものだから、は唇をかみ締める
するとそのままルルーシュの腕がふいに太ももを滑った
思わずの唇から甘い声が漏れる

「…っん、」

往復する腕をどかそうとしても、ホールドされるように抱きこまれているため、抵抗すらできない
空いている右手がの白い頬をなで上げると、唇をなぞる様に人差し指が動かされる
意識が唇にいったと思った瞬間、申し訳程度に太ももに掛かる布をどけて、ルルーシュの指が下着を突いた

「あっ…、ちょ、ルルーシュ!」

漏れた声を誤魔化すように声を荒げてみるが、ルルーシュの耳にはしっかりと届いていた
その反応を楽しむかのように下着の上から秘部を擦ったり、突き続けるルルーシュ
次第に湿り気を帯びてくるのを感じたルルーシュは、唇を滑っていた人差し指を口内に差し込んだ

「ふっ、んむ…」

「舐めてろ」
「何をっ、んぅ…は」

仕方なく舌を絡ませ始めた自身も、熱が溜まるのを何処か遠くで感じていた
ぴちゃぴちゃとの発する卑猥な水音に、ルルーシュは続くであろう情交をありありと描き始めてしまう

「る、るしゅ?」

静かになったルルーシュを不審に思ったは、そっと言葉を繋ぐ
するとの細い身体を軽々と抱き上げたルルーシュ
そしてそのままの身体をソファーに下ろした

「ちょ、ルルーシュ?」
「悪い、我慢できない」

の制止も無視して、簡単な服をさっさと脱がすルルーシュ

「こ、こらルルーシュ!駄目だってば」
「うるさい、俺の特権を忘れるな」
「なっ、ずるいずるい!ってルルーシュっ!!」

結局が部屋に戻ったのは、すっかりと日が落ちてから数時間後
不機嫌ながルルーシュが貰ったお菓子を食べているのをC.Cはしっかりと目撃していた
そして妙に機嫌のいいルルーシュがそんなを見ていたとか


Happy Halloween!