騎士の涙と盾の想い



ねぇ
「何?」
もし、僕がいなくなったらどうする?
「…どういう意味で?」
例えば何処か遠いところに行ってしまうとか
「別に、どうしもしない ただスザクを待ってる」
そっか ありがとう
「そんなこと例えばでも言わないでよ」
ゴメン、でもあと一つ聞いていい?
「うん、」
例えば、僕が戦いの中で死んでしまったらどうする?

「……スザクは、死なないでしょ」
分からない、戦場ではいつも死と隣り合わせだから
「…」
僕は、思い出となってくのかな?

「あたしも死ぬよ」
え?
「スザクのいない世界でなんか生きる価値ないから」
…本当?
「嘘のわけない」
僕は、必要?
「あたしはスザクがいなきゃ、生きていけない」



光の失っていた、翠の瞳はようやくの瞳をしっかりと捕らえた
頬には涙の痕がまだ残っている

「スザクの判断は正しかった、だから自分を責めないで」
「………」
「あたしは、何があってもスザクの見方だから」

ゆっくり茶色のやわらかい髪の毛を撫でる
自分より背の高いスザクは、けれど今にも壊れそうだった

「スザクの全てを理解するから、だからあたしを信じて」
「……」

薄暗い、その部屋は沈黙が支配した
は柔らかく、優しく微笑んで見せた

「判ってるんだ、自分の手が血で染まってしまったってことくらい」
「うん」
「けど父さんのやり方では、本当の平和なんて訪れない」
「うん あたしはそれが正しいと信じてる」

よれよれの制服は、今のスザクの心境を表しているようで
はぎゅっと、愛しそうにスザクに抱きついた

「もう、何処にも行かないで」

ゆっくりと抱きしめ返すスザクに、は目の奥が熱くなった

「俺は…」
「あたしにはスザクが必要だから」

もう、泣かないで

君を守る盾は、いつか君より先に崩れてしまうけど
けど、崩れてしまうその日まで
どうか君の傍にいさせて
君のために尽くさせて


騎士の涙と盾の思い