がたがたと震える身体を押さえ込むのは非常に気持ちのいいものだった。優越感とか、独占欲とか、そういったものがものすごくそそられる気がした。はイレブンであるだけで、他に彼女は引け目を感じるようなものは持っていない。整った顔つき、華奢な女性らしい身体つき(軍人には不向きであると見えるが)、彼女の身体を無理やりこじ開けようとする男達の気が、分からなくもない、とスザクは愚かな自分に自嘲した。
「っ、ひぅ…」
先ほど破られた軍服を捲れば白い肌が見えた。下着は白の、軍で支給されるような質素なもの。そんな下着に覆われる乳房はおせじにも大きいとは言いがたいが、それがまた欲をそそられる。手中にすっぽり収まる乳房をぐにぐにと形を変えれば痛みにのくぐもった悲鳴が聞こえた。手のひらに当たる小さな突起に反応は感じられない。本当に、怯えているだけか。つまらない、スザクは口の中で呟いて強い手の刺激を急に緩やかなものにした。そっと快感を引きずり出すように、乳房全体を手のひらを使って丹念に揉みこむ。くりくりとまだ柔らかい乳首を指で抓り、押し込んだ。
「んあっ、ん、」
ふと、の悲鳴の中に艶めいたそれが混ざる。同じようにそれを繰り返していれば次第に裸の手のひらに当たる突起に硬さが生まれた。小さく笑みをこぼしてスザクは真っ赤に染まる耳元に唇を寄せる。
「硬くなってきた、ね」
ふ、と息を吹き込むように告げればの硬く閉じた瞳に涙が浮かぶ。そのまま耳の穴にねっとり舌を差し込んでびくりと震える身体を再び押さえつけた。一度身体を起こしたスザクは中途半端に乱れたの衣服を見下ろして、モスグリーンの彼女の短パンのホックを外した。
「腰、上げて」
「っ、」
涙のいっぱい浮かんだ大きな瞳がスザクを一度捉える。ふるふると震えていた身体は今すぐにでもこの場を逃げ出したいというようにしているのに、同時に目の前の上官の命令を聞かなければ、という軍人の其れがを支配する。冷たい翡翠が怖かった。はその白い頬に涙を伝わせて素直にスザクの指示に従った。そっと腰を上げれば少年は満足そうに口元だけ笑みを浮かべて素早く短パンを白い足から引き抜くと、優しく優しく太ももをさする。鳥肌のたった肌はそれでも滑らかで、何度も男達に穢された身体とは思えなかった。
「…怖い?」
「、は、…はい…っ、」
小さく小さく頷いたに、スザクはふいに下着の上から少女の恥部を突っついた。ひ、と悲鳴。さすがに恥部を弄られるとなるとにもようやく抵抗が生まれる。しかし男女の力の差、何よりスザクはナイトオブラウンズだ。もしこの行為さえ、命令だというならが逆らえることは、決して有り得ない。
「でも何回もしてるんだろ?」
それは、不可抗力だ。その事実があってもそれをスザクに伝えたところで状況が変わるはずもなかった。
「…っ、く、枢木卿っ、」
今まさに挿入しようとしたその間際である。泣きながら震える手でなんとか彼の騎士服に手をかけたは肩で息を続けながらスザクを見た。寸でで止められたスザクは些か不満そうにを見る。
「っ、はあ、あ、のっ、…」
「何」
「…」
粒になった涙がぼろり、と黒い瞳の端から落ちる。は何か言いたそうにして、しかし口元をつぐんでまた泣いた。それを見届けてから、ぐう、と狭い膣内にスザクは自身を捻じ込んだ。眼下の白い肢体がびくびくとしなるのが見える。苦しそうに息をするはただ硬く瞳を瞑って唇を噛み締めた。決して淫らに乱れる様子のないを、スザクは一度眉をしかめて強く腰を突き上げる。もっとみっともなく喘げば面白いのに、そう言葉になることのない声で呟いて先ほど掠めた彼女のいい所を狙って突き上げた。先端で少し柔らかいそこばかり抉るように、最奥まで挿入すれば中でかき回すように腰で丸く円を描く。
「あぅ、んっ、んん」
苦しそうな嬌声がやっと少し響く。
スザクはそろそろ絶頂を迎えるであろう乱れる少女を見下ろして思った。なんで、こんなことしているんだろうか。たまたま通りかかったところで助けてやった少女を、何故自分が犯しているのだろう。泣いているのに、苦しんでいるのに、何故だろうか。スザクにはよく分からなかった。分からないままに、ただ身体が求めるままに少女を抱いた。
「(…なんでだろう)」
潤んだ黒の瞳がスザクを見た、気がした。