鳴り響く電話のベルでははっと目を覚ました。寒い、は冷たくなった湯を張った湯船の中にいた。働かない頭の中でなんとかここまでの経緯を思い出すべく、瞳を細める。

昨夜、ナイトオブラウンズである枢木スザクに男達に囲まれた自分を助けてもらい、そしてそのまま抱かれた。昨夜はもう、諦めかけていた。こうやって自分に男達が集って身体をこじ開けることは昨日が初めてだったわけではない、だからといって慣れたわけでもないが。大体強姦を受ける上で慣れる、だなんてありえないのだ。そんなとき、初めてその行為を中断された、枢木スザクによって。初めてみた、ナイトオブラウンズの男、初めてこの屈辱的な行為を、中止させてもらった。感謝していた、だけれど、そのあと結局はその男に身体をこじ開けられた。押さえつけられて、上官である彼に抵抗もできずに。夜中まで続いたその行為のあと、は漸く部屋に帰ることを許された。多分、時刻は午前2時ぐらい。軍の寮に戻ったはふらふらのまま、風呂場へ行った。(通常、軍の寮は二人で一部屋なのだが、の部屋は先日同室の女性が軍を抜けた所為で一人で住んでいる)珍しく浴槽に湯を張って浸かっていたところ、やはりというか、寝てしまったらしい。

慌てて裸のまま風呂場を出るも、無常にもその瞬間に電話のベルはその瞬間消えた。時計を見る、時刻は7時半だ。この時間であれば通常、既に軍へ出勤しているはずなのに、大遅刻もいいところである。は半ば諦めたように息をついて、ふと鏡を見た。

「…、」

裸の自分、そうしてその首元には赤い鬱血痕。触れると、少し沁みた。何度か行為を強いられたことがあっても、こうやって痕を残されるのは初めてだった。大抵の男達は単にを陵辱するためだけに行為をするだけなので、こうした痕をつけることに意味はない。だが、彼は違うのだろうか。期待に似た何かが生まれる。生まれて、はそれが果てしないほど意味のないことだと気づいた。

「…、いた」

腰がずくり、と痛んだ。