それからしばらくして、は見知った気配を感じ、玄関へと足を進める
が着く前にもうドアは開いており、見慣れた黒髪が目に入った
「ルルーシュ 今日学校ないの?」
随分と早く帰宅したルルーシュには疑問をもった
「今日は授業がなくなったらしい」
「なくなったの?ふーん、まルルーシュ帰ってくるんならいいけど」
一々気になるような発言をするに、ルルーシュは気にするなと言わんばかりに頭を横に振った
ルルーシュは一旦着替えるために、自室に向かっていった
もそれに気づいたのか、追いかけないでリビングに行きテレビをつけた
「この人が、スザク…」
テレビをつけると昨日同様、画面いっぱいにあの少年が映し出されていた
はイスに座り、その様子を見ていることにした
「クロヴィス殿下、殺人容疑者…」
画面の右上には真っ赤な文字でそう映し出されていた
よく意味が分かっていないは、ルルーシュに何が起きているのか聞くために立ち上がろうとした
しかし、ルルーシュがこちらに向かっているのが分かったは立ち上がるのをやめ、またテレビに視線をむける
の思ったとおり、その後すぐルルーシュが私服に着替えて入ってきた
「ねえ、このクロヴィス殿下って誰?」
「…ブリタニア帝国第皇子、俺の異母兄だった人物だ」
「だったって、まあ死んでるからね」
はけろりと冷めた事を口にしてから、確信はないがルルーシュに対して口を開いた
「この人さ、誰に殺されたんだと思う?」
いかにも分かっているような口調で言われたルルーシュは、に視線を送る
「分かっているだろ」
「だって、確信が無いもん 本人から言われなきゃ」
「……俺が殺したよ」
しばらく間を空けてから、ルルーシュは小さい声ながら聞き取りやすい声でに言った
はテレビから一瞬だけルルーシュに視線を移すと、またテレビに視線を戻す
「これも"計画"のうち、ね よく腹違いといえどもお兄さんを殺せたね ま、それだけ覚悟があるってことだし?」
は今度こそ立ち上がって、テレビを消すと艶のある髪の毛をはらった
「忠誠を誓いましょう?ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア貴殿下」
挑発的な笑みではルルーシュに敬礼をした
「ふ、胡散臭いな」
「ひどい言い様ー」
「その笑顔で言うな」
くすりとは口角と緩ませる
するとルルーシュは何か思いついたように、に話しかける
「昨日の…あの格好で着いて来い、それからあの面もつけろ」
「いいけど、なんで?」
「後で分かる」
はルルーシュの言葉を聞き、イスを引いて部屋から出て行った
それを見たルルーシュも自分の準備があるため、自室に戻っていく
部屋に着いたは、きていた服を脱ぎ捨て、イスに掛かっているコートを身にまとった
そして刀を1本、しっかりと腰にさす
「本当、ルルーシュの言うとおり…何してるんだろ、あたしは…」
は着替え終わると、ベッドに腰をかけて頭をかかえた
「それでも今は…」
小さな小さな声で吐かれた言葉は、の部屋に響く事なく消えていった
「ここは…」
ルルーシュに言われ、着いたところは半分しかなくなってしまった東京タワーだった
「ひどい……ここまで…」
「だから"計画"を実行するまでだ」
随分と自信のある言い方をしたルルーシュはポケットから携帯電話を取り出した
しかしそれはの知っている携帯電話の形をしていなく、もっとコンパクトになったものだった
はそれを面白そうに見つめ、ルルーシュが電話をしている時も大人しく待っていた
「環状五号線、外回りに乗れ お友達も一緒だ」
ルルーシュはそれだけ言うと、とっとと電話を切ってしまった
「環状五号線?」
「ああ、行くぞ」
すたすたと歩いてくルルーシュに遅れをとらないようにも後をついていった