は一人になった部屋でしばらく考えにふけたようにぼーっとしていた
そして突然、思い立ったようにイスから立ち上がるとルルーシュの部屋へ急いだ


ルルーシュの部屋では、C.Cが着替えをしているところだった
はそんなのにも気づかず、ルルーシュの部屋へ入っていく

「ルルーシュ」

いきなり入ってきたに、ルルーシュのみ、少し驚く
C.Cはぱちぱちとその独特な服のボタンをしめながらを見た

「なんだ、いきなり」
「いや、ちょっと聞きたいことがあって…」

はそう言うと、着替え終わったC.Cをちらりと見やる
C.Cはそれに気づいたのか、をその金色の瞳で捕らえた
少し戸惑ってから、聞きたいことに決心がついたらしいはルルーシュに大きな瞳を向ける

「き、今日、カレンとちゅーしたでしょ?」
「…は?」

間抜けな声が思わずルルーシュの喉から出た
はいたって真面目な様子でルルーシュに問いかける

「見ちゃったもんね、カレンとちゅーしてるとこ!」
「待て、お前は何故そんな微妙なところを見て…」
「あ、それから今日 C.C学校に来てたでしょ?」

自分に回ってくるとは思っていなかったC.Cが微かに驚きながらを見た
はなんでも、ルルーシュとカレンの衝撃的瞬間を見る前、窓の外からC.Cらしき髪型の人物を見たというのだ
C.Cが「それは私だな」、と平然と答えたのにはやっぱりという顔をしてから、再びルルーシュを見る

「あのね、それでね、ちょっと離れたところで茶色の髪の女の子も見てたよ」

茶色の髪の女の子 に心当たりがあるルルーシュは嫌な汗が伝うのが分かった
はそれだけ言うと、C.Cの特等席のルルーシュのベッドに座った

それを見たルルーシュは、座っているのをやめ、窓から見える光景に目を細めていた
窓の外には大切な妹、ナナリーがいた
はそれが分かっていたかのように、ルルーシュの行動を見る

C.Cはというと、ルルーシュに背を向けてそしてパソコンに目をやる
そこに表示されていたものを見て、先ほどのルルーシュがギアスについて調べていたのを思い出す
C.Cは思い出したように口を開いた

「ブリタニアは強い ギアス一つで戦うのには、あまりに大きく、強い相手だ」
「…強ければいいのか」

ルルーシュは思い立ったように口を開く

「戦争、テロリズム…」
「理想だな」
「愚かないたちごっこだよ」

は話しの意図が掴めないので目を丸くしてそれを聞いていた

「誰かが止めなければ…」
「誰か…?」

ルルーシュの意味深なその発言にC.Cは首をかしげる
そしてルルーシュは妖しく微笑んだ
その時、黙っていたが口を開いた

「誰か、ゼロと記号が、」
「…そうだ」
「記号を、希望として植えつけるのは、容易じゃないよ」

その言葉にルルーシュは一度瞳を細めてほう、と口元を緩める
そうしてはまるで自分に言い聞かせるように話し出した

「理想は愚かだ、希望という記号、それはつまり神である必要がある
神は、全てを与える代わりに全てを捨てる覚悟が必要なの
修羅を背負って、決して振り返らない、いや、神なんて、いないのかもしれないけど」

いつもと違うに、ルルーシュもC.Cも眉をしかめる
しかし相変わらず、は自分に言い聞かせているような口調で続ける

「理想は何よりも現実味のないもの、夢よりも、過去よりもずっと」

いつの間にか、の目は微かに赤くなっていた
ルルーシュはなんと言葉を掛けていいか分からなかった
こんなは初めて見るからだ
だがC.Cはそうか、と一言吐くと目を伏せた

「そうだな、理想なんて気休めでしかないな」
「あたしは知ってるのかもしれない、理想に近づこうとして落ちていった者を」

目を閉じたの瞼の裏側に、見知らぬ、しかし懐かしい映像が流れる
悲しい、悲しい 彼女の捨てたいと願っている過去が

「それでも、」

聞こえてきたルルーシュの声には瞼を開ける
そして漆黒の瞳が捉えたアメジストの瞳はいつになく真っ直ぐだった

「それでも、俺は理想に頼るしかないんだ、ナナリーが幸せになれる世界をつくるために…」

それを聞いたは優しく微笑む







何を言ってしまったのか、
あたしは自室に戻って布団に包まった

何も知らない、知っていないルルーシュ達に、あたしは何を言ってしまったの?

自分に聞いてみても答えなんか返ってくるはずもなく、あたしは布団から顔を出した
ちょうどその時、ドアの向こうで見知った気配が感じられた
その人物はノックもしないで部屋に入ってくる

「どうしたの…ルルーシュ」

ルルーシュは特にこれといった表情をしていなく、俗に言う無表情ってやつで部屋に入ってくる
といっても、ここはルルーシュの家
が文句を言えるはずもなく

「さっきの、気にしないで…」

それしか言えなかった
しかしルルーシュは近くに置いてあったイスに座って眉間に皺を寄せる

「何故だ」
「なんでって、…あたしが言うから」

なんという自己中心的な発現してしまったのだろうとは今更思う
けれど、特に気に留める様子もなく再び布団に潜った

「おやすみ、ルルーシュ」

聞こえてきた小さな声

「明日は、面白い事が起きるかもね」