「あれ、ルルーシュ帰っちゃうの?」

授業も全て終わり、各々部活や帰り路に着く者がいる中、教室を出て行こうとするルルーシュをは呼び止めた
それに振り返ったルルーシュを見て、首を傾げたは彼に近づく

「ああ、今日は少しやる事があって」
「やる事って何?」
「ここで言えるわけないだろう」
「ふーん、そっち系ね」

ルルーシュのその言葉で"やる事"の意味が分かったは、彼に背を向けて手をひらひらと振った

「頑張ってね、死なない程度に」

ルルーシュは教室を出た


はというと、初めての生徒会に出ようと鞄を持った
しかし、昨日の今日でいきなり生徒会室に行くのは緊張を誘うもので
中々、教室を出ないではうろうろしていた

せめてカレンかスザクがいてくれたらと思いながら

教室に人気がなくなってから10分あまり
はようやく生徒会室への道を歩み始めた
場所は前にルルーシュに聞いたので、そこら辺は大丈夫だった

教室を出て、少し歩いたところに見慣れた茶色い頭を発見して、は顔を明るくさせた

「スザクー」

名前を呼ぶと、翠の瞳をこちらに向けたスザクに歩み寄る

「今日は軍の方があったんじゃないの?」
「うん、でももう終わったからちょっとでも顔出した方がいいと思ってね」
「ふーん、じゃ一緒に行こう?生徒会でしょ?」

笑顔のに、スザクも頬を緩ませてから再び歩き始める

その時、やっとスザクの持っているものに気づいた
すぐさまそれを口にする

「ね、スザク それ何?」
「え、ああ猫じゃらし アーサーに持っていこうかと思って」

無邪気な笑みを見せるスザクは、とても軍人には見えなくて
「そう」と優しく言うと、スザクはそれを軽く振り回して言った

「これ気に入るといいな」
「ぷ、なんか小学生みたい」

思わず本音が出てしまい、スザクは少しむっとした顔になる
しかし目の前のドアが開いた事により、意識はそちらにいった

「とにかく、私とルルーシュは関係ないからっ」

ドアの向こうには、何やら部屋の中に言っているのだろうか、カレンがいた
「ルルーシュ?」と聞き返すスザクに、カレンは一瞬下を見てから中にいる人物に話を締めくくらせると
「なんでもない」と言って、どこかへ行ってしまった

後ろにいるには気づいてないようだった

そこで何が起きているのだろうと、はスザクより先に中を覗き込んだ
中では、シャーリーがアーサーを抱えて俯いている

「ルルーシュがどうかしたの?」

も思っているであろうことを、スザクは代わりに口にする

「知るわけないでしょ、あんなヤツっ」
「へ?」
「ちょ、シャーリー?」

目元に涙を溜めて言うシャーリーに、スザクは間抜けな声を出してしまった

「何、話してたのシャーリー」
「だって…カレンが…」
「(ふーん、女の子って複雑だなあ)」

が何があったのか聞こうとした時、感じた嫌な予感に、ドアを振り返る

「…?」
「どしたの、

ドアを睨んでいるに気づいたのか、スザクは声をかける
はスザクに振り返ってから、「ごめん、ちょっと用思い出したから」と早口で言うと、生徒会室を出て行ってしまった
残されたスザクは、とにかくシャーリーに何があったのだろうと思い口を開いた











「行くなルルーシュ、私との契約を果たす前に死んでもらっては困るからな」

銃を突き立てるC.Cとルルーシュが部屋にいた
言っていることとやっていることが矛盾しているC.Cに、ルルーシュは嘲笑うように言い放った

「なるほど、お前ギアスは使えないんだな」
「…!」

それに反応したC.Cだが、次のルルーシュの行動に口角をあげた

「私が銃を恐れると思うのか」
「恐れるさ」

笑みのルルーシュは、その銃を自分の頭に突きつけた
それにはC.Cも目を見開く

「…俺は、お前に会うまでずっと死んでいた、無力な屍のくせに生きてるって嘘をついて」
「…」
「なにもしない人生なんて、ただ生きているだけの命なんて、緩やかな死を同じだ」

ルルーシュの声は冷静で、けれど何処かに怒りを含んでいるとも捉えられた

「また昔みたいになるくらいなら…」

引き金を引こうとするルルーシュに、C.Cは咄嗟にストップをかける
と、その瞬間C.Cの後ろにあるドアが静かに開いた

「…る、ルルーシュ?」

そこには少しだけだったが、息をきらしているの姿があった
は部屋の中の様子を見て、目を見開く

「確かに、意味はないな そんな命…」
「な、何して…」

話の内容がつかめないは、珍しくおろおろしている
そんなの横を通り抜けて、ルルーシュは部屋をあとにした
はルルーシュは追おうとはせず、中で立ちすくんでいるC.Cに近づいた

「…ねぇ、どうしたの?」
「ルルーシュの覚悟は本物だった…」
「え?」
「あいつは、コーネリアの誘いをうけるそうだ」

首を傾げるに、C.Cはベッドに倒れこんだ

「ふふっ、血は争えないなぁ、しかしあのタイプは危険だぞ」
「…?」


始まるんだ、愚かなで意味もないのに