「C.C、どうするの?ルルーシュ追わなくていいの?」
暫くして、はルルーシュの椅子を陣取りながらC.Cに振り返る
C.Cは寝転んでいるのをやめ、笑みを浮かべながらを見た
「なんだ、心配か?」
「ま、一応」
「ふ、素直だな」
どうもC.Cと会話すると、内容が質素なものになるとは思った
「コーネリア?だっけ、強いんでしょ?」
「ああ、強いな」
「ルルーシュに死なれちゃ困るんじゃなかったっけ?」
が言うと、C.Cはベッドから降りて乱れて前に掛かってきた髪の毛を払った
そしてゆっくりとの前までくると、気品高い猫のように目を細めて微笑む
「困るな、私を誰だと思っているんだ」
はきょとんと首を傾げる
「、その格好じゃまずい 戦闘も可能な状態にしておけ 枢木スザクを助けた時のようにな」
つまり、例のあの格好になれと
はそう解釈すると、はーいと軽く返事を返し、主のいないルルーシュの部屋を出た
C.Cはそれを見届けると、自分もゆっくりと準備を始めた
*
「さすがにルルーシュもコーネリアには敵わなかったな」
そう隣で呟くC.Cには小さくため息を吐く
まさか、あのルルーシュがこんなにも早く窮地に追い込まれるとは思わなかったからだ
「ふふ、ルルーシュ悔しがってるかな」
「そうだろうな、あのタイプは恐ろしく負けず嫌いだからな」
C.Cの右足がトントンと鳴らされる
合図だ
はC.Cとともにコーネリアにもよく見えるであろう、塀の上に立つ
一瞬でその場がざわめきと混乱に陥る
「ゼロだ!ゼロを発見!!隣にはあの狐の面の女もいます!!」
下に見える軍人達に銃を突きつけられる
それでもC.Cもも顔は見えないが、平然とそこに立っている
段々とナイトメアも集まってきていた
「狙撃しろ!!」
その声が聞こえた瞬間、は刀の鞘を軽く指で叩き、眼前に手をかざした
降り注ぐ銃弾は2人には向かってこない
暫く発砲音を聞いてから、C.Cとはふわりと宙に身体を預ける
重力に逆らうことなく、2人は真っ逆さまに落ちていった
「落ちたぞ!!」
しかしその声とは裏腹に、2人は撃たれたわけでもなければ、地面に叩きつけられてもいない
落ちた瞬間、が地面に意識を溜めて軟弱化させていたのだ
とんっと、地面に着地した2人はそのまま地下水道に潜り込むと、暫く走り続けた
「そろそろかな」
カンカンと足音の反響する地下水道に、C.Cと以外の足音が響いた
「――何故助けた」
ルルーシュはゼロの仮面を被ったC.Cを睨む
C.Cは仮面をとると、美しく靡いた髪の毛を払い嘲笑うかのように言い放つ
「だから言ったろう、死なれては困ると」
「条件が同じなら負けはしなかった!」
「負け惜しみだな、それだけの条件をそろえるのも力の内、だ」
悔しそうに睨んでくるルルーシュ
C.Cは尚もゼロの仮面を手元で弄んでいる
「そんなんじゃぁ、ブリタニアにはかないっこない」
ぎろりとルルーシュの視線を感じただったが、飄々と狐の面を取るだけだった
「だったら揃えてやるさ…」
狂気にも似た感情を含んだ言葉に、C.Cは手を止め、ルルーシュに振り返る
もルルーシュをじっと見つめた
「ブリタニアに負けない、俺の軍を、人を、国を――!!」
やっと満足したように笑みを浮かべたに、C.Cはふっと微笑む
「それだよ、ルルーシュ」
「え?」
「一人じゃ、なにもできない」
美しいこげ茶色の髪の毛を靡かせ、は背中を向ける
「さ、帰ろっか」
地下水道には、の声が暫く響いていた