「え、あたし?」
笑顔のシャーリーの前で、はきょとんを首を傾げる
「そうなの!会長がさ、のお祝いパーティーの前に一緒にどうかって!」
「で、でもあたしも一緒に行っていいのかな?」
「もちろん!」
アーサーの事件以来、仲良くなったとシャーリーは生徒会室に行くまでに何やら、色々と盛り上がっていた
内容は、ミレイ、シャーリー、ニーナの3人で河口湖に行く計画にも参加するというものだった
「泊りがけでね、あたしももちろんと色々話したいし!」
笑顔で、目をきらきらさせるシャーリーにも自然と笑みが浮かぶ
「、行くよね?」
「うん、でも…」
言葉を詰まらせるに、シャーリーは首を傾げた
生徒会室まであと少し
は口を開いた
「だって、ニーナさん?だっけ…日本人、イレブン怖がってたし…」
への字に眉を下げたに、シャーリーは慌てて首を振った
「そんな事ないよ!確かにニーナはイレブンのことよくは思ってないけど、は別だもん!」
「そうなの?」
顔を微かに明るくさせるに、シャーリーはほっと笑みを零す
ちょうどその瞬間、2人の目の前のドアがしゅんと音をたてて開いた
「あ、シャーリーとちゃん遅いわよー」
「すいませんー会長ーあ、行きますって!」
「本当?ちゃん!?」
入った瞬間、飛んでくるように近づいたミレイには驚いたように肩を竦ませた
しかしすぐにっこりと微笑むと、「はい」と言った
「あたしなんかが混ざっちゃっていいのか、ちょっと不安ですけど」
「もぅ!そんな事言わない!女の子はまず夜な夜なおしゃべりするところから始まるのよ」
どこまでも笑顔の絶えないこの空間に、は少しだけ不安に似た感情が湧いたのを感じた
その時、奥の方から俯きながら、どこか不安そうな顔のニーナが現れた
そんなニーナを見つけたミレイは、困ったように笑みを作り彼女を達の前まで連れてきた
「ちょっと、ミレイちゃん…」
「大丈夫よ、ニーナ!」
はぽりぽりと頬をかきながら、目の前の怯えたニーナに話しかけた
「あの、よろしくねニーナちゃん?」
柔らかく、優しく微笑むに、ニーナは少しだけ驚いたように目を見開く
「ちゃんはイレブンじゃないのよ?大丈夫よ」
「……よ、よろしくお願いします ちゃん」
ニーナのその言葉に、はぱぁっと顔を明るくさせた
*
「お前、明日何処かへ行くらしいな」
どっかりと椅子に座っているルルーシュは、パソコンから目を離さずに話しかけた
「うん、シャーリーと会長とニーナと河口湖行くんだ」
は先ほど仲良くなったニーナを思い出し、そして明日の楽しみからか自然と笑みを浮かべていた
それを見て、ルルーシュは特に気にする事もなくただ一言
「問題は起こすなよ」
と言っただけだった
まだ、もルルーシュもこの後起きる惨事に気づく由もなかったからだ
「あたし東京疎開でるの、初めてなんですよ!」
列車の窓から見える光景に、シャーリーは感嘆の声をあげていた
も同じように、窓の外に見える景色に「おぉー」と歓声をあげている
「ルルーシュも来られるとよかったのにねぇ」
「…なっ」
「よいではないか!今宵は夜通し語り明かそうぞ!好きな男の子教えあったりさぁ」
「いるんですか、会長」とぽつりと呟いたシャーリーに、は思わず噴出した
「それより、はいるの?好きな男の子とか」
「え?あたし?」
はお菓子を口に含みながら、いきおいよくミレイに振り返る
ミレイもシャーリーも顔を輝かせてを見ている
ニーナは何処か不安そうな顔であったが、は暫く考えるような仕草をした
「うーん、今んとこはいないですねぇ」
「え!!?いないの?」
思った以上に大声をあげるミレイに、は驚いたように彼女を見る
シャーリーはミレイ同様、の発言に驚いていた
「、絶対モテると思うのにもったいなーい」
「そうよ、そうよ!」
びしっと指差され、は「そうかな?」と再びお菓子を口に含んだ
その時、列車がトンネルに入り、周りが一気に暗くなる
そんな暗い中でも、ニーナが身体を強張らせたのが判った
「大丈夫、河口湖はブリタニアの観光も多いから治安もいいって」
電気がすぐさま着き、青ざめたニーナの顔が見えた
ミレイはそっと手を添えている
「一緒にいてあげるから、今度は置いてきぼりにしない」
「うん」
微笑んだニーナに、シャーリーとは顔を見合わせた
しかし、まだ気づいていない
あたしも魔人も